間もなく30歳になろうとしている。
自分が5歳くらいのときに感じた30歳って言うのは、それはもう大人だった。
バチバチの大人であり、金を持ち、車を持ち、家庭を持っていて、凄く渋いものであるというのが、潜在意識の中に刷り込まれている。
30歳っていうのは「本物の大人」ってやつだ。
そんな30歳という「マジの大人」のラインに自分が今立とうとしている。
しかしながら、自分を振り返ってみたらどうだろうか。
金は持っておらず、車も持っておらず、家庭も持っていない。全然渋くもない。
ましてや、趣味と言ったらウルトラマンとゲーム。最近になって増えた趣味と言えば読書くらいなもんだ。
今後発売予定のゲームの最新情報に心踊らされ、発売されたとなれば朝までやる。
毎週月曜日のワンピースの最新話を心待ち、そして僕とロボコを読み、youtubeで乃木坂工事中を観る。
毎週土曜日のウルトラマンブレーザーが何よりの生きがいであり、子供たちに混ざりながらソフビやDX玩具を買う。
中学生の頃からの趣味嗜好に、全くの変化が見られないじゃないか。
ウルトラマンのイベントに行けば、ウルトラマンと地球人親子の記念写真を後ろで見ながら、自分はどういうポーズで写真を撮ろうかなどと考えてはいるものの、実際にはほぼ挙動不審な動きでウルトラマンと写真を撮る。
そんな人生を歩み続けている私の友人達はどうだろうか。
近しいところで中学生時代の友人達に目を向けてみよう。
一人はシステムエンジニア。早くに結婚し、今では一児の父である。
一人は管理職として働き、去年末にプロポーズをされたと報告があった。
自分含め他の友人達も全員が結婚詐欺を疑ったが、実際のところ本当だったらしい。
結婚式には呼ばれていない。
そのほかの中学のメンバーは今のところ未婚なのでホッと胸を撫でおろしている。
ぜってー俺のことを裏切るなよ。
高校の頃の部活動で一緒だった友人達はどうだろう。
これが一切不明なのだ。実際、既に結婚しているのかもしれない。
しかし結婚式はおろか、報告すらされない。
ここまで来ると自分の人徳のなさに涙が溢れてくるというものだ。
話が脱線してしまった。
学生の頃に出たオフ会には、余裕で30歳を超える大人が参加していた。
自分からすればそれは「マジな大人」だった。
そして自分も今その土俵に立とうとしているが、果たして学生時代の自分が、今の自分を見たらどうだろうか。
「マジな大人」だと認識してくれるのだろうか。
ぶっちゃけ、めちゃくちゃ渋くてかっこいい30歳だったら何やっても許されるだろ。
津田健次郎さんくらい顔も声も渋くなりてぇよ。俺は。
間もなく津田健次郎になろうとしている。